心臓病をもつ児童生徒・保護者の方が安心して学校生活を送るためには、学校生活管理指導票の提出や面談がどうしても必要になってきます。
心臓病とひとまとめに言っても、その病態は対応はそれぞれ違います。
個別に面談を行い、学校全体で児童生徒の安全を守っていきましょう。
この記事はこんな人におすすめ
・学校生活管理指導票の提出を依頼するときはどんなときか知りたい
・心臓病の持病を持つ児童生徒の保護者と面談を行う際の確認事項を知りたい
この記事を書いた人
- 元養護教諭(旦那は現小学校教員)
- 公立小学校・私立中高一貫校での勤務歴あり
- 養護教諭1種
- 看護師・保健師の免許所有
タップで飛べる目次
学校生活管理指導表の提出を依頼する
どんな時に提出を依頼するか
ポイント
- 入学時に心臓病の持病がある、手術歴があり経過観察していると判明したとき
- 心臓病健診で疑いが見つかったとき
- 運動制限に変更があったとき
- 心臓病検診で異常が見つかったとき
- 心臓病に限らず、運動制限を必要とするとき
実は私自身も心臓に持病があって定期検査の受診の際に管理指導表を書いてもらっていました。
必要な配慮、伝えておくこと
ポイント
- 学校生活管理指導表を医師に書いてもらうにはお金がかかる場合もあること。
- 受診の際には事前に『学校生活管理指導表』を渡しておくこと。
すでに管理指導表を提出してもらっている児童生徒さんについては、指導表の右上に次回の受診予定・受診間隔が明記されています。
心臓病の検査のための定期受診は、エコーやレントゲン、診察など、長時間にわたる大変なもの。
また、大きな病院で経過観察をしているお子さんも多いです。
変更がない場合は提出を求めなくていいにしろ、万が一変更があった時のために事前に学校生活管理指導表を渡しておきましょう。
後日指導表を書いてもらうためだけに再受診をしてもらうことのないように心がけたいものです。
(専門医の多くは病院に管理指導表を置かれていますが、念のため…。)
保護者面談について
病気について勉強しておく
最低限、児童生徒の病態、起こり得る症状などについては少なくとも勉強しておきましょう。
病気に対する知識があることを感じるだけで保護者の安心感も段違い。
また、知っておくことで具体的に話をすることが可能になります。
面談で聞いておきたいこと
ポイント
- 過去に症状が出たことはあるか。その時の様子を詳しく教えてもらう。
- 何をしているときに症状が出たか
- どのくらい続いたか
- 緊急時の搬送先・緊急連絡先の確認
- 運動制限の内容を確認
- 日常生活に制限がある場合(階段の使用や通学時のことなど)どうするか
- 服薬等の内容の確認
- 学校で飲む薬があるか
- 食べ合わせ・飲み合わせの悪いものはないか⇒給食がある場合は除去食の対応を行うか
- 持病のことや、運動制限があることについて他の児童生徒への周知をどう考えているか
- 伝えたいこと、伝えたくないことはなにか
- 教員から伝えてほしい/保護者から伝えたい/本人から伝えさせたいなど
- 学校生活で心配なことはあるか
理解を求めること
校内で情報共有を行うこと
いつ何がおこるか分からないため、担任や養護教諭だけでなく、組織として対応ができるように校内で情報共有をさせてもらいたいことを事前に伝えておく必要があります。
いくらお子さんの安全のためとは言え、見えないところで勝手に話をされるのは嫌なもの。
必要性の理解をしてもらうこと、また、学校へ子どもを預けることへの安心感を持ってもらうことが大切です。
行事等の際はその都度確認をさせてもらうこと
日々の学校生活とは異なる動きのある学校行事。
初回の面談とは別に、運動制限の度合いに合わせて必要な際はその都度電話等で連絡させてもらう旨を伝えておきましょう。
確認が必要となる行事の例
- 遠足(徒歩移動がある場合どうするか)
- 運動会/体育祭(どう参加するか)
- 林間学校・修学旅行といった宿泊行事(スケジュールと合わせて動きを確認)
まとめ
心臓病をもつ児童生徒の学校生活管理指導表の依頼についてや、保護者との面談についてをまとめてみました。
心臓病といっても、病態は幅広く、症状や対応も様々ですが、なにか参考になればうれしいです。
学校生活管理指導のしおりはこちら ⇒ https://www.gakkohoken.jp/book/ebook/ebook_H130030/H130030.pdf