保健室運営

【教員向け】林間学校・修学旅行など宿泊行事に向けた準備について【養護教諭】

宿泊行事が近づいて来た!

一体どんな準備をすればいい?

何が必要??

宿泊を伴う学校行事はいつもと違った心配がありますよね。

私の経験を元に解説していくので参考にしてみてください♬

はるなつ

この記事を書いた人

はるなつ
  • 元養護教諭(旦那は現小学校教員)
  • 公立小学校・私立中高一貫校での勤務歴あり
  • 養護教諭1種
  • 看護師・保健師の免許所有

宿泊行事の事前準備

健康調査票

修学旅行・野外活動など、宿泊行事が行われる前には健康面で心配なことはないか、緊急時の連絡先など、事前に保護者の方に記入をしてもらいましょう。

回収した健康調査票はコンパクトにまとめ、持ち歩けるように準備をします。

はるなつ

個人情報が詰まった資料。

できることなら持ち歩きたくないですよね。

管理職の許可がもらえればクラウドに保存して印刷物をなくして宿泊学習中もクラウドで閲覧すると言うことも可能です。

持病やアレルギー、服薬する薬の確認

学校の給食とは別にアレルギーの調査は必須です。

アレルギー対応については、担任や添乗員さんときちんと情報共有しましょう。

旅行中の服薬についても確認し、コンパクトにまとめておきましょう。

確認しておくこと

  • いつ、どこで、どのように服用するのか
  • エピペン等の処方がある場合は保管場所も合わせて確認し、職員で共通理解をもっておく
はるなつ

服薬忘れを防ぐためだけでなく、万が一受診をすることになった時にも役立ちます。

児童生徒は自分の内服している薬を覚えていないことも多いので…。

児童生徒数の多い学校では、とても1人では確認しきれない場合もあります。部屋の点呼の時に薬のチェックをしてもらうことも考えましょう。

お願いする場合は事前の引率者ミーティングで共有し、当日も点呼前に一声かけると安心です。

個人情報の取扱いには十分注意しましょう。
宿泊後に回収を行う、番号を振るなどを行うと教員の取り扱い意識もより高まります。

保険証の写しは必要?

一昔前はよく保険証のコピーを学校は提出してもらっていました。

はるなつ

昔は家族で一枚の保険証を共有していたため、持ち出せないことからコピーでも対応してもらえていたそう。

でも近年では、コピーでは対応してもらえない場合がほとんどなので、学校へコピーの提出をしないのが主流になりつつあります。

ポイント

  • コピーでは3割負担対応してもらえない場合が増えてきている
  • コピーで対応してもらえても後日対応が必要になり手間がかかる
  • 個人情報を紛失するおそれがある
はるなつ

リスクに対して得られるメリットが少ないですよね…。

事前に確認しておくべきこと

  • 現金は誰が用意するか
  • 保護者への通知文はどこから出すか(管理職?担任?保健室?)

保険証がないため、10割負担となるのである程度余裕を持って所持金が必要になります。

保護者に代わっての一時的な支払いではありますが、誰が用意するか、どのくらい用意するか、管理職や宿泊行事の打ち合わせなどで相談をしておくことがオススメ。

宿泊学習の内容や参加人数によっても用意する金額が変わってきます。

持参するお金の目安に・・・

受診時の支払金額として高額になりやすいのが骨折による受診で『初診料+レントゲン+ギブス』での受診時の10割負担で15000円程度。痛み止め等の処方や夜間診療などの加算ががあっても2万円を超えることはないでしょう。

高熱による受診でインフルエンザの検査+処方を受けた場合は10割負担でも1万円程度のようです。

最近ではどこでもお金おろすことができるので大きな心配はありませんが、参考にしてもらえればと思います。

手術をする等、10割負担だと大金が必要になるのでは?!という心配はありません。

そういった場合は支払いの時には少なくとも保護者の方が現地に到着しているはずです。

スポーツ振興センター

宿泊行事の合間でもケガや体調不良があった場合、スポーツ振興センターの申請対象になります。

はるなつ

宿泊行事の場合に限り『風邪・インフルエンザ』も申請対象になるので覚えておきましょう!

学校行事などで保険証を使用せず受診した場合の専用の申請用紙があります。

医療等の状況(別紙3(2)(ア)〜(ウ))

申請用紙一覧はこちら⇒https://www.jpnsport.go.jp/anzen/saigai/downroad/tabid/81/Default.aspx

詳しくはスポーツ振興センター公式HPのよくあるご質問(医療費関係)に書かれています。

災害給付web よくあるご質問

これを用いれば、10割→3割負担の変更手続きをすることなく、支払い金額+見舞金1割の返金を受けることができます。

市や県をまたいだ長距離移動のある宿泊行事については、返信用封筒や切手を事前に用意しておくことをオススメします。

宛名を書いた返信用封筒に切手を貼って、病院に記入後の投函をお願いしましょう。

はるなつ

切手に代金については事務に相談してみてくださいね。

夜尿の対応

小学校でよくある「夜尿の心配がありますか」という質問項目。

これは…いいような悪いようなと個人的には思っています。

何時に起こして欲しいという記載は無くして、自由記述にして、要望があれば相談をすることをオススメします。

ポイント

自由に起こして欲しい時間を記入する欄を設けると、「じゃあ念のため…」と軽い気持ちで記載をするパターンが良くあります。

意味も分からず起こされる子どもも、バラバラの時間に順にお越しに回る教員も寝不足。といったことも…。

夜に保健室部屋のトイレでオムツに履き替えて寝る児童も居ました。周りに気づかれることもなく、本人も安心して眠れました。

起こすことが必ずしも宿泊行事中のベストな夜尿対策とは思いません。

また、小学生高学年の夜尿は病院での診察も必要です。

救急セットの準備

基本的な宿泊時の救急セットを紹介します。

救急セットの例

  • 体温計(生徒数に合わせて本数を調整)
  • 嘔吐袋(紙袋にビニールを入れると◎)
  • ビニール袋は多めに用意
  • 絆創膏・ドレッシング剤・ガーゼ
  • 包帯、三角巾、シーネ
  • はさみ
  • 湿布
  • テープ、粘着包帯
  • 熱冷まシート
  • 刺抜き
  • 爪切り
  • マスク
  • コンタクトケース、保存液
  • 生理用ナプキン・ショーツ
  • ディスポーザル手袋
  • 除菌ジェル、シート
  • メモ帳、ペン
  • 現金、小銭
  • スポーツ振興センター書類と返信封筒(切手)

基本の物に加えて、行事の内容によって必要となるものが変わってきます。

修学旅行での救急セット

内科的な処置がメインになります。

嘔吐や発熱といった体調不良への備えが重要になります。

修学旅行の持ち物

  • 嘔吐対策
    • 小さい紙袋の中にビニール袋を入れたエチケット袋がおすすめ。
    • ビニール袋は多めに用意しておくと便利。汚れたものや嘔吐袋など何にでも使えます。
  • 現金、小銭
    • 衛生用品を買い足したり、自動販売機で飲み物を買ったりすることもできます。備えあれば憂いなし。

登山、キャンプ、林間学校での救急セット

外科的な怪我や、虫さされ、熱中症への対応が中心になります。

野外活動がメインになる場合の救急セット

  • 経口補水液
  • 瞬間冷却剤(叩くと冷え、保冷剤のように使えるもの)
  • 包帯、三角巾、シーネ
  • 粘着包帯
  • ポイズンリムーバー

粘着包帯は伸びの良いテープのようなもの。

関節などの動きの出る部分のシープやガーゼの固定がしやすいこともあり、活動に向いています。

突き指などの際には粘着包帯を巻くことでシーネ(添木)なしでも固定が可能。荷物も減らせます。

ポイズンリムーバーは蜂に刺されたときだけでなく、ブヨに刺された時も使用しましょう。

後からの腫れが段違いです。

スキー合宿での救急セット

スキー合宿の引率経験はありません(^_^;)

おすすめの用品などありましたらぜひ教えてください!

外科的なものが中心になると思います。

ポイント

  • 包帯・三角巾・シーネ
  • 粘着包帯
  • カイロ

児童生徒への事前指導はどんなことが必要?

月経指導

小学生では、宿泊学習の前に月経指導を行う場合が多くあります。

生理用ナプキンを販売しているメーカーでは、初経教育に向けたコンテンツや、ナプキンのサンプルをもらえたりするところもあるので活用するのもオススメです。

パンフレットやナプキンのサンプル配布のあるメーカー

『ロリエ』 公式ホームページはこちら

セット内容は、小冊子からだノート「おとなになるということ」、サンプルのナプキン、オリジナルビニールバッグ

『日本カルミック』(ユニ・チャーム ソフィと提携)公式ホームページはこちら

セット内容は、初経教育冊子(保護者用・生徒用)、おりものシート38個入り、ナプキン2個入り

『ソフィ』公式ホームページのダウンロードも可能な初経教育教材の資料はこちら

生活リズムや薬の管理

宿泊学習は『自分のことは自分でする』『周りの人を思いやる』という経験をする時です。

身の回り身支度や片付け、薬の管理や体調を整えるための行動、自分で考えて動いてほしいですよね。

早寝早起き朝ごはんといった基本的な生活リズムを整えて宿泊学習に臨むことはもちろん、宿泊学習中の早寝の大切さについての理解が必要不可欠です。

宿泊学習中、いつもとは違う環境に興奮してやはりなかなか寝ません(^^;)

それでも早く寝ることの大切さ、思いやりを持って過ごすということ、夜は部屋を暗く、静かに過ごすなど伝えておくことはやはり何も事前指導がない場合とは違います。

共有部分の使い方・マナー

お風呂やシャワーの使い方、生理用ナプキンの捨て方などのマナーも合わせて学ぶ機会になります。

親元から離れて宿泊をすることはほとんどの子どもにとって数少ない経験です。

家族旅行とは違う、宿泊学習。

『自分事』になって初めて気づくこと、考えることも多く、大きく成長をするときでもあります。

まとめ

宿泊学習時のことについて書きました。

養護教諭としては心配も負担も大きい行事ですが、親元を離れての学習。大きく成長する行事だと思います。

引率の準備の手助けになりますように。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

-保健室運営