私立と公立の教員って何がちがうの?
働き方や給料にも違いがある?
私自身公立でも私立でも働いてみて思った以上に違いがたくさんありました!
私自身、実際に働いてみるまで公立と私立の違いを知りませんでした。
学校や地域によっても差はあると思いますが、皆さんの想像する以上に差があると思います。
この記事では、公立と私立の教員での働き方の違いについて詳しく説明していきます!
この記事を書いた人
元養護教諭(現在は専業主婦)
養護教諭第1種・看護師・保健師の免許を所有
公立の小学校と私立の中高一貫校での勤務歴あり
旦那も公立小学校教員
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公立/私立教員の働き方のちがい【6選】
採用方法
これはみなさんもご存じかもしれませんが採用方法が違います。
公立学校の場合
- 都道府県または市町ごとに年に1回行われる『教員採用試験』を受験する
- おおくの自治体が過去問を公表している
- 勤務校は採用元の自治体が決定
私立学校の場合
- 毎年募集があるとは限らない
- 各学校にて募集され、受験する
- 採用試験の頻度や時期は不定期
- 試験内容は基本的に非公開
- 紹介や引き抜きなどによる採用もあり得る
私立は自分で勤務先を選べるけれど募集が不定期…
私立を希望していても募集のタイミングが重なるとは限らないのが難しいトコロ。
雇用形態・勤務形態
公立学校の場合
- 地方公務員として雇われる
- 採用試験に合格すれば本採用として翌年4月からの勤務が決定
- 不合格でも臨時採用として勤務可能
- 県・市の教育委員会の指導のもとで教育を行う
- 基本的には暦通りの勤務形態、土日祝休み
『公務員』というと安定感はやはりありますよね。
病気になってもコロナ渦や不景気の中でも職や給料が保証されているのはやっぱり安心。
また、私立で働いてみると教育委員会のありがたさを感じました。
(話が長くなるので需要があればまた…)
私立学校の場合
- 採用試験に合格しても『講師』からのスタートが一般的
- 学校に雇われ、会社員と同じ扱い
- 第二第四土曜日は半日勤務の学校が多い
- 土曜日の勤務分、教員ごとに平日の半日を休み(※研修日)とする学校が多い
※研修日とは…土曜勤務のために勤務時間が長いので、教員ごとに平日に半日休みが割り当てられます。
よく勘違いされますが、私立の教員は公務員ではありません。
土日休みじゃないのは個人的には辛かったですが、平日に休みが取れる有難さも。
教員の方はなかなか役所・郵便局・銀行等の窓口に行けない問題がありますから…笑
給料・ボーナス
公立学校
- 基本給は各都道府県で一律
- 勤続年数や役職に応じた加算はある
- ボーナスは管理職による勤務評価によって増額される場合がある
- 勤務時間外の残業や部活動の指導を行っても給料の加算はない
- ボランティアのような部分や自費出費も正直ある
- 福利厚生・諸手当などは手厚い
教員の時間外労働や部活動のことは時折ニュースにもなりますよね。
独身時代は全然よかったのですが、家庭を持つとなるとボランティアに近い仕事に時間を取られるのはキツイ…
それでも公務員という安定感はやはりあります。
産休や住宅手当・通勤手当などの諸手当も公立のほうが手厚い場合が多いように思います。
私立学校
- 学校ごとに給料体制が異なる
- 時間外勤務にも給与が支払われる
- 学校の経営状況により給料やボーナスも変化する可能性がある
- 仕事上の必要経費も支払われる場合が多い(書籍、部活にかかるジャージ、用具など)
私立は経営状況によって給料やボーナスの増減が起こり得ます。
でも時間外労働にもきちんと対価が払われるのは嬉しいところ。
自己研鑽のための書籍などの購入費も出る場合が多いです。
仕事をする上で必要となるものについても費用が出るのは助かりました。
公立で働いていた際には自費で購入していたものが職場から支給されるのはありがたい…
私の勤務していた私立学校場合
課外活動引率のための購入物品の費用の一部(スキー教室のための防寒具、登山のための登山靴・ウェア等)
『健』・『すこやか』といった養護教諭向け教育雑誌の定期購読費用
保健指導等教材作成に必要となるもの
その他参考となる図書 などなど…
出張・研修
公立学校
- 研修が年間予定として組み込まれている
- 市内の出張がメイン。同じ市町の教員との情報交換・交流の場にもなる。
教育委員会の指導のもとで教育をしているからこそ研修が多いです。
すべての公立学校で一定の水準で教育を行うために行われます。
私立学校
- 出張は本人次第の部分もある
- 県を跨いだ出張も多くある
教育委員会から情報が下りてくるということはないので
情報を得るには何事も自分で情報収集、そして勉強していかなくてはいけません。
かといって公立校に後れを取るわけにはいかない私立。研鑽は必須です。
異動
公立学校
- 市の希望は出せるが、どこに配属されるかは分からない
- 初任者は3~5年で異動(初任者は自治体ごとに在留年数が事前に決まっている場合が多い)
- 経年者は3~10程度で異動(近年在職年数が短くなっている傾向あり)
- 臨時採用者は任期付きなので長くても2年程度。数か月という場合もあり
- 教育委員会など学校現場以外への異動もある
- 異動の希望を出しても、すぐに反映されるとは限らない
- 毎年年度末に発表されるため、引っ越しなどが伴う場合は大変…
はじめての勤務地が決まった時は2週間ほどで住まいを決めて引っ越し、すぐ勤務開始と忙しかったです…(^^;)
異動があること自体は職場の雰囲気も変わっていいのですが
現在旦那が異動希望を出し続けて3年目…
そろそろ希望の市町へ異動できるといいのですが…。なかなか難しいものです。
私立学校
- 基本的に異動はない
- 小中高一貫校の場合は同じ学校の中で配置換えがある場合が多い
- 系列校・姉妹校などがある場合は希望を出せば異動できる場合もある
異動がない分、卒業生がよく学校に戻ってきてくれるので成長を見届けられるのはうれしい!
職場内の人間関係で問題がある時は異動がないのはツライ…
私は養護教諭なので特に狭い世界なので( ;∀;)ヒエー笑
それぞれの特有の仕事
公立学校
- 地域と学校との連携・協同
- 緊急時の避難所となりうること
私立学校
- キリスト教、仏教などの宗教教育がある場合もある(信教心は必要なし)
- 児童生徒を集めるための『広報』活動がある
- 入試の準備はとにかく大変!
私立は児童生徒に来てもらうための広報活動が必須。
そして入試が必ずあります。これがなかなか大変…(^^;)
通常業務をこなしながら入試に向けた仕事をするのも大変ですし
入試当日は朝早くから日付が変わる頃まで働くこともありました。
(入試関連のお給料はとてもいいんですけどね笑)
公立/私立教員のメリット
公立学校
- 地方公務員という安定、安心感
- 福利厚生や諸手当が比較的手厚い
- 毎年必ず採用試験が行われる
- 同期が多い
- 教育委員会の指導の下で教育が行われる
私立学校
勤務する学校を選ぶことができる
雑務が少なく、自分の仕事だけに集中できる
異動がないので児童生徒と長く関わることができる
全ての仕事にきちんと対価が支払われる
生徒指導案件は比較的少ない
異動がないのでライフプランが立てやすい
公立/私立のデメリット
公立学校
- 対価を支払われない時間外労働がある
- 生徒指導案件が比較的多い
私立学校
- いつでも採用のチャンスがあるわけではない
- 給料やボーナスが学校の経営状況により変わる
- 土曜勤務がある場合もある
- 異動がなく、閉鎖的な職場環境
まとめ
実際に働いてみて分かった公立と私立のちがいを紹介しました。
同じ学校といえど違いは大きいですよね。
それぞれに良さがあり、人それぞれ合う合わないがあると思います。
教員として働くうえで重視することは何か。
どんな思いで教育にあたりたいかによっても公立がいいのか私立がいいのかは変わってくると思います。